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【紹介】
ネオリベラリズムが蝕む女性たちの生
「仕事も家庭もあきらめないで、すべてを手に入れましょう」「欠点を受け容れ、粘り強く立ち直りましょう」「福祉に頼るのはだらしなさの証拠です」「あんなふうにはなりたくないでしょう?」――映画、雑誌、テレビにSNSと、至るところから絶え間なく響く呼びかけに駆り立てられ、あるいは抑えつけられる女性たちの生。苛烈な「自己責任」の時代を生きる女性たちに課された幾重もの抑圧をさまざまな文化事象の分析を通じて鋭く抉り出す。一九九〇年代以後のフェミニズム理論を牽引してきた著者の到達点にして、待望の初邦訳書。
【目次】
謝辞
序章
第1章 フェミニズム、家族、そして多重に媒介された新たな母性主義
母性的=女性的なもの
レボリューショナリー・ロード?
社会主義の理想としての保育園
良い家政(グッド・ハウスキーピング)――家族の生政治
視覚メディアの統治性、母性そして「ネオリベラル・フェミニズム」
第2章 フェミニズムとレジリエンスの政治
フェミニズムからの収益?
競争的な女性性
レジリエンスの政治
『レッド』とレジリエンス
レジリエンス批判
「統制的な規範の暴力」(Butler 1997)
いくつかの結論
第3章 生活保護からの脱出――女性と「妊娠阻害雇用(コントラセプティヴ・エンプロイメント)」
「生活保護暮らしで寝てすごす」
フェミニズムとニュー・パブリック・マネージメント
ジェンダーと反福祉主義
第4章 「福祉国家の呪縛から脱却する」――ジェンダー、メディア、貧困の晒し上げ(シェイミング)
ソーシャル・ワーカーとしてのリアリティTV?
『リトル・ブリテン』/ おぞましさ(アブジェクション)
ホワイト・ディー
黒人女性、「福祉の女王(ウェルフェア・クイーン)」、反福祉主義のメディア
いくつかの結論
註
参考文献
訳者あとがき
索引
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[著者]アンジェラ・マクロビー(Angela McRobbie)
ロンドン大学ゴールドスミス校名誉教授。ブリティッシュ・カルチュラル・スタディーズを代表する研究者の一人であり、ポピュラー文化とフェミニズム理論、メディアとコミュニケーションにかんする研究を専門とする。The Aftermath of Feminism (2009)、Be Creative (2016) など著書多数。本書が初の邦訳書となる。
[訳者]田中東子(たなか・とうこ)
東京大学大学院情報学環教授。専門はメディア文化論、ジェンダー研究、カルチュラル・スタディーズ。主な著書に『メディア文化とジェンダーの政治学』(世界思想社、2012 年)ほか。
[訳者]河野真太郎(こうの・しんたろう)
専修大学国際コミュニケーション学部教授。専門はイギリス文学・文化ならびに新自由主義の文化と社会。主な著書に『新しい声を聞くぼくたち』(講談社、2022 年)ほか。
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